画像ファイルで美しいオフセット印刷物を作るポイント

画像ファイルでのオフセット印刷について

私たちの会社は、スマートフォンからのオフセット印刷を積極的に受け入れています。そのため、PDFファイルに変換する方法を調べられなかったお客様から、画像ファイル(jpeg・png)で入稿されるお客様も多いです。RGBとCMYKという決定的な「色の問題」はありますが、その旨を御了承いただいているのであれば、実は一部の印刷会社が画像ファイルでの入稿というだけで、印刷を断っている事実はもったいないと考えています。

RGBとCMYKの色の問題

まずはRGBとCMYKの違いについて理解しておきましょう。RGBは赤(Red)緑(Green)青(Blue)の光の三原色を基にした色空間で、主にデジタルデバイスで使われます。一方、CMYKはシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、およびブラック(Key)の色を使った印刷用の色空間です。デジタルデバイスで作成したRGBカラーを印刷する際、CMYKに変換されるため、色の再現が難しい場合があります。これが色の問題の根源です。

画像ファイルでの入稿の利点

画像ファイルでの入稿には、多くの利点があります。何よりも、簡単にデジタルデータを作成できるため、手軽に印刷物を制作することが可能です。また、解像度が適切であれば、印刷物は驚くほど美しく仕上がります。特にPNG形式は、可逆圧縮のため、細かいディテールを表現するのに非常に優れています。

解像度と印刷品質

印刷の世界では「解像度至上主義」といってもいいぐらい、一定以上の解像度(厳密にいえば300ppi)が印刷の仕上がりの美麗の分水嶺です。適切な解像度でのデータを用意することが、最終的な印刷物の品質を大きく左右します。解像度が低いと、印刷物はぼやけてしまい、せっかくのデザインが台無しになってしまいます。

AI技術による画像の拡大

しかし、近年ではAIによる拡大技術、特にディールを補完して拡大させるという、一昔前なら信じられなかった高度な拡大補正が可能です。原寸で72ppiなんてデータは、以前は使えないデータの代表選手みたいなものでしたが、2025年現在では72ppi原寸でモニタ上にて綺麗に見える画像なら、印刷に耐えうる解像度に違和感なく変更させることも可能なのです。

JPEGとPNGの比較

JPEGとPNGの違いについて詳しく見ていきましょう。JPEGは約1677万色を表現できる非可逆圧縮形式で、ファイルサイズが軽いのが特徴です。しかし、圧縮する際に画質が劣化してしまうため、再編集には不向きです。対照的に、PNGは256色や1677万色をサポートし、可逆圧縮が可能ですので、色の劣化がありません。このため、透明や半透明のデザインにも適しています。

最終的に、適切なファイル形式を選ぶことが印刷物のクオリティを決定づけます。作業において、PNG形式を選ぶことで、劣化のない高品質な印刷が可能です。 美しい印刷物を作るためには、画像の選定が非常に重要です。JPEGとPNGの特徴を理解し、シーンに応じたファイル形式を使い分けることで、より魅力的な印刷物が実現できるでしょう。