印刷データのPDFはもう迷わない!最新PDF/X-4 標準化
10年前までは、PDF/X-1aが印刷用PDFの標準化として推奨されていましたが、現在(2025年)の印刷業界標準はPDF/X-4へと移行しています。
PDF/X-4とは?
PDF/X-4は、PDF/X-1a標準化の進化版であり、印刷ワークフローにおける様々なメリットを提供します。主な特徴は、透明効果をネイティブにサポートしている点です。これにより、透明効果を使用したデザインも、PDF/X-4 標準であれば問題なく印刷できるようになりました。
PDF/X-1aでは透明効果は分割・統合処理が必要でしたが、PDF/X-4ではその必要がなくなり、よりオリジナルのデザインを忠実に再現できます。また、ICCプロファイルに基づいたカラーマネジメントも標準でサポートされており、より正確な色再現が可能です。
PDFの汎用性の向上:PDF/X-4 標準でなくても美しく印刷可能に
近年、PDFの汎用性は飛躍的に向上しました。印刷技術の進化、RIP(Raster Image Processor)の高性能化、そしてアプリケーションのPDF書き出し機能の向上により、PDF/X-4 標準で作成されたPDFはもちろんのこと、一般的なPDF形式であっても、高品質な印刷結果を得られるケースが非常に多くなっています。
もちろん、PDF/X-4 標準は印刷標準として最も推奨される形式であることに変わりはありません。しかし、今日では、特別な問題がない限り、PDF形式であればほぼ問題なく美しい印刷が可能と考えて良いでしょう。フォントが埋め込まれているか、画像が高解像度であるかなど、基本的な注意点さえ守れば、PDFは非常に信頼性の高い印刷データ形式と言えます。
まとめ
印刷データのPDF標準は、PDF/X-4が主流です。PDF/X-4 標準は透明効果や高度なカラーマネジメントをサポートし、より正確な印刷を可能にします。
そして、PDF技術プロセス全体の成熟により、PDFそのものが非常に汎用性の高いデータ形式となっています。PDF/X-4 標準が理想ではありますが、今日においては、PDF形式であれば、多くの場合高品質な印刷結果が期待できます。
印刷データ作成の際は、PDF/X-4 標準を意識しつつ、PDF形式であれば安心して入稿できる時代になったと言えるでしょう。