Adobeがcanvaを意識したと思われるクラウド完結型の簡易デザインツールAdobe Creative Cloud Expressをリリースしました。基本機能を無料で利用できるのが特徴。追加のクラウドストレージ及び追加フォント・追加テンプレート等が使えるプレミアムプランも月額1,078円、年額1万978円と廉価にて利用できます。
無料でもレベルの高いデザインが可能な点がcanvaと共通しています。サブスクリプションのソフトウェアを売りたいAdobeとしては本意ではなく、canvaの勢いを無視できず、デザインツール業界の盟主として出さざるを得なかったようです。競合ができたことでcanvaのサービスも進化するでしょうし、プラスのシナジーが期待できます。
メリット1:既存のAdobe Creative Cloud利用者にとって利便性が高い
一番恩恵を受けるのは実は既存のAdobe CC利用者かもしれません。重複して利用料を払う必要がないので、豊富なテンプレートと豊富なフォントを利用して、緊急時に最低限のデザインワークができるのは、とても助かるはずです。
メリット2:テンプレートの質が高い
まだ筆者も少ししか使用していないのですが、過激なほどバタ臭いテンプレートだらけのcanvaと比較すると、日本人の感性に沿った直ぐに流用できそうなテンプレートのクオリティの高さが、現時点での最大の魅力です。無料版で用意されているフォントもセンス溢れるチョイスです。簡単にワード等のオフィスソフトで作成するよりも、遙かに高度なデザインを少ない労力で実現可能です。
今のところのデメリット
リリースされたばかりなので、canvaと比較して機能が極めて限られています。Adobe的にはこれで完結されてしまうと本業に負の影響がでてしまうので、あまり利便性を高めすぎるのも、自らの首を絞めかねないのでジレンマがあるのでしょう。逆にいうと極限まで機能がそぎ落とされてシンプルにつくられているので、たいていの人は考えることなく最低限のことは直ぐに体得できそうです。
印刷データ作成用途として使えるか?
印刷を前提としたPDF出力機能が備わっているので使えます。ただし現状(2021年12月20日段階)では日本語フォントが極めて文字化けしやすいというPDF総本家のサービスとは思えないバグがあります。
またcanvaで可能なヌリタシの付加とトリムマークの追加も機能にないです。
まだ検証途中ですが出力するPDFは少しダウンサンプリング(画像圧縮)が強すぎる傾向もあります。ただ端の方に文字オブジェクトが配置されているような稚拙なテンプレートは皆無ですので、PDFでさえ出力してくれたら印刷会社としての対応は難しくありません。
プリントエクスプレスはAdobe Creative Cloud Expressに対応します。
canva作成データの最適化・印刷は弊社の得意分野の一つです。競合サービスであるAdobe Creative Cloud Expressデータを扱えない理由はありません。リリースされたばかりのサービスなので、まだまだ未整備・未成熟な点も多いですが、この業界のガリバーであるAdobe社が運営するサービスですから、将来的には欠点がなくなり、機能的にcanvaを凌駕する可能性が大いにあります。アーリーアダプター大歓迎のネット印刷プリントエクスプレスをAdobe Creative Cloud Expressから出力したデータの印刷にも、是非ご利用ください。サービス名にExpressという弊社名と同じ単語が使われている点に縁を感じます。ご発注は下記をクリック願います。